七五三は「11月15日」にするというイメージが定着していますが、祝日ではないこともあり、この日だけを狙って参拝するのは難しいという方がほとんどではないでしょうか。

そのため
「七五三って11月15日じゃないとダメ?」
「時期をずらすとマズいの?」
と、いった質問も多くいただきます。

そこで、七五三は日にちをずらしてもOKなのか。
ずらせるのであれば、いつやるのがおすすめなのかについて解説していきます。

実は七五三を11月15日にやる意味はない?

七五三で参拝をする日にちは11月15日と言われています。
そのため、可能であればその日に、難しくても11月の土日に参拝するのが通例となっています。
しかし、実は七五三を11月15日にやる意味はほとんどありません。

なぜなら、もともと特別な日として参拝されていた11月15日は、旧暦だからです。
「旧暦と新暦でそんなに違うものなの?」
と、疑問に思われる方も多いかもしれませんが、大切なのは11月15日を選んだ理由です。

この日にお参りをするようになった理由は諸説ありますが、大きく分けてふたつあります。
ひとつは星宿の分割法のひとつ、二十七宿において最も縁起の良い日「鬼宿日」だったことが挙げられます。
もうひとつは、鬼宿日に満月が重なる日でもあり、1年の中でも特に縁起の良い日とされているからです。

他にも、徳川綱吉公が息子の健康を祈願した日とされており、これにあやかって健康を祈願する慣わしになったという説もありますが、これも旧暦であり、日にちを選んだ理由が上記からだと考えると、新暦の11月15日にはあまり大きな意味がないことが分かります。
そのため、時期をずらして参拝に訪れても問題ありません。

七五三の時期をずらしても祈祷はしてもらえる?

七五三の参拝に神社を訪れたとして、時期をずらした場合祈祷をしてもらえるかどうかは気になるところですよね。
香川県高松市にある七五三で多くの方が訪れる神社として「田村神社」「石清尾八幡宮」などがあります。

石清尾八幡宮のホームページでは「当宮では11月中が一番賑わいますが、ご祈祷自体は年間通して受付しています。」という記載があります。
田村神社のホームページにも特に祈祷の時期を限定する記載はなく、祈祷全般に対して「予約は必要ございませんので、ご都合に合わせてお気軽にお越しください。」と記載されています。

その他高松市内の神社のホームページを調べても「いつでも祈祷を受け付けている」という記載はあるものの「この時期しか対応できません」といった記載はありません。
そのため、どの神社でも、いつでも七五三のお参りや祈祷は可能です。
ただし、年始やお祭りなど、神社が祈祷を受け付けていない日もあるので事前にチェックしておきましょう。

七五三を春にずらすメリット

七五三を春にずらすメリットはたくさんあります。
特に、気候が穏やかで過ごしやすい点や、神社が混んでいないため祈祷がスムーズな上、写真も残しやすい点などは大きなメリットのひとつと言えます。

他にも、3月後半から4月前半にかけて迎える桜の開花シーズンは写真映えも抜群。
七五三のお参りと一緒に最高の写真を残せます。
5月になると新緑のシーズンとなり、輝くような緑が境内を彩ります。
どのタイミングを取っても写真映え抜群なので、七五三のお参りを秋に考えている方も、七五三の写真を事前に撮影する「前撮り」を春にされる方がたくさんいらっしゃいます。

3月の七五三はタイミングによっておすすめ

気候が穏やかになり、冬の厳しさが和らぎ始める3月。
日中は過ごしやすい日も多くなり、神社への参拝もしやすくなるため、お子様の負担も少なくなります。
境内の参拝客も少ないため、七五三をずらすなら3月はおすすめの月のひとつとも言えます。

3月は暦の上では春ですが、写真を撮影するとなるとまだまだ冬の雰囲気を残しており、少し殺風景になってしまう可能性もあります。
とは言え、梅の花が見頃を迎えるなど、春の訪れを感じられる場所が増えてきます。
後半になると桜が開花する年もあるのでタイミングによっては最高の写真を残せる可能性もあります。

4月の七五三は桜のシーズンがおすすめ

4月になると気温がグッと上がり、特に日中は過ごしやすい日が増えてきます。
春の花が咲き始め、さまざまな場所で春らしい風景が見られるようになってきます。
石清水八幡宮など、高松市内には桜が美しい神社もあるため、参拝に訪れて写真を撮るのもおすすめです。

例年通りであれば、桜の花が開花し、見頃を迎えるシーズンでもあるため、写真撮影にもおすすめのシーズンです。
気候が穏やかで1日中過ごしやすい日が続く4月は、参拝・前撮りどちらもおすすめのシーズンと言えます。
春の天気は変わりやすく、雨の日も少なくないので天気予報はしっかりとチェックしておきましょう。

5月の七五三はゴールデンウィークに

大型連休があり、行楽シーズンとも言われる5月。
連休中はレジャー施設をはじめ、どこへ行っても混み合うイメージですが、これは神社も同じで平日に比べると参拝に訪れる方がかなり多くなります。
とは言え、七五三のハイシーズンに比べると祈祷を訪れる方は少ないため、なかなか都合がつきにくいという方は、ゴールデンウィークに七五三のお参りを済ませるのがおすすめです。

5月になると木々が青々と生い茂り、輝くような新緑が芽吹いてきます。
神社での写真撮影も背景がナチュラルな色で彩られ、素敵な仕上がりになります。

七五三を夏にずらすメリット

七五三を夏にずらすメリットはいくつかあります。
例えば、ハイシーズンに比べて参拝に訪れる人が少なく、お参りがスムーズだったり、境内の草木が青々と生い茂っていて、写真に映る背景が美しかったり。
前撮りや当日撮りを考えている方は、夏の写真撮影はキャンペーンをしているスタジオも多く、比較的割引を受けやすい点もメリットのひとつ。

ただし、気温や湿度の高さなど、懸念事項が多い点には注意が必要です。
特に、参拝から写真撮影、お食事まですべてを1日で済ませようと考えた場合、忙しさに加えて暑さで子供の体力が削られてしまうため、後半はぐったりしてしまう可能性も。
できれば参拝と撮影は別日で設定するのがおすすめです。

6月は紫陽花が見頃。七五三のお参りは天気に注意

6月といえば梅雨入りのシーズン。
雨の日が多くなるため参拝に訪れるとなると天気が気になるところ。
晴れていてもジメジメした日が多く、4月や5月に比べると予定を立てにくい印象があります。

七五三の参拝も「今日は晴れたからお参りに行こう」といったカタチで気軽に決めるのは難しいため、事前に予定を立てておくならある程度雨が降ることも想定した上で動く必要があります。

また、6月の見頃と言えば紫陽花が見頃を迎えます。
神社やお寺の境内にも紫陽花が美しく咲き誇るところがあるので、ぜひチェックしてみましょう。

7月は夏本番。暑さ対策やこまめな水分補給が必要

梅雨が明けるといよいよ夏本番。
気温が高く外に出かけるのも億劫になりがちな7月は、境内を訪れる参拝客が少ないため、スムーズに参拝が可能です。
注意しなければならないのは暑さによる脱水症状や熱中症。
特に厚手の生地の着物を着ているとそれなりの重さになるため、歩いているだけでもかなり大変です。
こまめに水分補給をしたり、休憩をとったり、しっかり対策をとる必要があります。

お参り、写真撮影、お食事会のフルコースを1日に詰め込むのは夏場は避けるのがおすすめ。
どうしても1日で終わらせる必要がある場合、暑さ対策はもちろん着物を着て外に出ると汗をかきやすくなるので、汗が引いた後に風邪をひかないよう、体調管理にも注意しておきましょう。

また、七五三の前撮りをする場合はスタジオ撮影がおすすめ。
空調が効いた場所での撮影であれば外の暑さはそれほど気になりませんし、快適な空間で素敵な写真を残せます。
夏場はフォトスタジオが閑散期になるため、お店によってはお得なキャンペーンをしていることもあるので、リーズナブルに写真を叶えたい方はチェックしてみるのもおすすめです。

8月の暑さ対策は必須。体調管理にも注意しよう

8月はお盆休みがあるためまとまったおやすみがとりやすく、ご夫婦がそろってお休みをとりやすい時期でもあります。
神社にもよりますが、ほとんどの場合お盆休み中も祈祷を受け付けているため、お盆休みに参拝をするのはおすすめです。
ただし、着物のレンタルや着付、美容関係のお店がお盆休みに入っている可能性もあるため、希望する場合は事前に相談しておきましょう。

お参りで注意すべきは7月と同様、夏の暑さ対策です。
熱中症や脱水症状への配慮は必須。
特に、着物の中には厚手の生地もあり、普段着慣れている洋服よりも体力を使う可能性が高いです。
汗をかいた後の配慮も必要で、油断していると風邪をひいてしまう可能性があるので注意しましょう。

秋は七五三のハイシーズン。特典が受けられる可能性もあり

11月15日を中心に、秋は七五三のハイシーズンです。
最も参拝者が増えるのは11月ですが、10月くらいから少しずつお参りに訪れる人は多くなります。
ハイシーズンを見越して神社でも千歳飴を用意するなど、この季節だけの特典が受けられることも。
秋が深まるにつれて境内の木々が少しずつ色づいていき、11月15日頃には木々が紅葉し、秋らしい雰囲気の中でお参りができる点も魅力です。

季節の変わり目なので、9月には暑い日が、11月になると寒い日が多くなってきます。
過ごしやすい日ばかりではなくなるため、念の為の対策をしていても損はありません。
基本的には穏やかな気候の中でお参りができるシーズンです。

9月は後半が狙い目。前半は暑さ対策が必要

9月に入っても、前半はまだまだ夏のような暑さが続くことが多いため、引き続き暑さ対策が必要です。
後半になると気温も下がり、気候がかなり落ち着いてきます。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、お彼岸を過ぎると気候が穏やかになり、秋らしい雰囲気へと変わっていきます。

9月に七五三のお参りをするなら、お彼岸を過ぎたあたりの後半が特におすすめ。
気候が穏やかになる上、まだまだ七五三の参拝者は少ないためスムーズにお参りが進みます。

10月は前半が狙い目。ハイシーズンならではのメリットも

10月に入るといよいよ七五三シーズンに入ります。
お参りに訪れる人も増えてくるため、シーズン中でも人が少ないタイミングを希望する場合、できるだけ早めにおとずれるのがおすすめ。
10月頃から神社でも七五三用に千歳飴などのプレゼントを用意しているケースも多いため、受け取りたい場合はこのタイミングでお参りをする必要があります。

10月後半になると参拝に訪れる人は増えてきます。
年によっては少しずつ木々が紅葉し始めるタイミングなので、秋らしい雰囲気の写真を収めたいという方も遅めのタイミングを狙って訪れるのがおすすめです。

11月は七五三のピーク。紅葉した境内で写真撮影もおすすめ

11月15日を中心に、七五三のお参りはピークを迎えます。
人気の神社に参拝する場合、土日は特に七五三のお参りで訪れた人がたくさんいらっしゃる日も珍しくありません。
参拝に訪れた方々で神社は混み合いますが、お正月の初詣ほどではないので、多少の人の多さは気にならないという方は、ピーク時に訪れて七五三の雰囲気を楽しむのもおすすめです。
11月に入ると周囲の風景もどんどん秋らしくなっていくため、境内で写真撮影を考えている場合は「木々が紅葉した境内で、千歳飴を持って撮影する」といった七五三フォトにふさわしい1枚も残しやすくなります。

参拝に訪れた結果、人が多過ぎていまいち良い写真が撮れなかったという方は、12月の初旬、参拝に訪れる人が落ち着いてから「後撮り」をするのもおすすめです。

冬は寒さに注意。体調不良でお参りが延期になることも

年末年始は何かと忙しいことが多いご家庭が多いかと思いますが、その中でも都合がついた日で七五三のお参りに訪れるご家族もいらっしゃいます。
12月に入ると11月までの七五三の参拝者の多さとは打って変わって人が少なくなります。
そのため、人が少ないタイミングで落ち着いてお参りをしたいという方は冬のお参りもおすすめです。

ただし、冬は寒いだけでなく風邪や熱など、体調不良になりやすい季節。
参拝を予定をしていたけれど、子供の体調不良によって日にちを変更せざるを得なくなったという方も少なくありません。
急な予定変更になる可能性が低くないことも考えた上で予定を立てておきましょう。

12月は前半のお参りがおすすめ

師走という文字通り、駆け抜けるように過ぎていく12月。
何かと忙しい方が多いため、ご両親と一緒にお食事会をしようとしてもなかなか都合がつきにくい可能性が高いです。
予定を立てるなら12月の前半にするか、ご家族のみで都合のつく日を選びましょう。
その上で、年末年始にご両親と一緒に七五三のお祝いをするのもおすすめです。

ちなみに、12月に七五三のお参りに訪れる方の多くが11月に七五三をする予定だった方ですが、来年の11月に七五三を予定している方が前倒してお参りをしても問題ありません。
七五三の参拝は満年齢と数え年のどちらで訪れても受け付けてくれるなど、年齢にかなり寛容です。
まだ対象年齢ではないので・・・と、祈祷を断られる可能性は低いので安心してお参りしてください。

1月のお参りは初詣の参拝客に注意

新年が明けたばかりの1月は初詣で神社が賑わいます。
そのため、三が日をはじめ、1月初旬は七五三をはじめとする各種祈祷は受け付けていない神社が少なくありません。
もし、1月に七五三のお参りを希望する場合は中旬以降がおすすめです。

1月は寒さが厳しいこともあって七五三に訪れる人はかなり少なめ。
初詣の参拝者が落ち着くと訪れる人もかなり少なくなるため人の少ない境内でゆっくり落ち着いてお参りができる点はメリットのひとつです。

2月は寒さと体調不良に注意

2月はまだまだ寒さが厳しいため、お参りに訪れる人は少ないです。
七五三のお参りに訪れる人はほとんどいないためお参りもスムーズ。
ただし、節分をはじめ節目のタイミングでは何かしらの行事をしている可能性もあるので事前に確認をしておくのがおすすめです。

2月も1月同様寒さが厳しいため、当日は寒さ対策が必要。
体調不良にもなりやすいため、日々の体調管理にも注意が必要です。

七五三のお参りにおすすめなのは春と秋?

七五三のお参りをするなら、やはりおすすめなのはハイシーズンである10月と11月。
神社が参拝者で賑わうため、待ち時間や疲労感はあるものの、七五三の雰囲気を楽しめるのもこのシーズン。
千歳飴などのプレゼントがある点も魅力です。

次いでおすすめなのは春。
3月〜4月の桜のシーズンや5月の新緑など、季節感あふれる風景に彩られた神社でお参りが叶います。
さらに、七五三のハイシーズンとは異なるため参拝者が少なく、お参りがスムーズに進む点もメリットです。

反対に、夏と冬は暑さ・寒さから体調不良の心配があるため十分な対策が必要です。
対策さえしっかり取っていれば、参拝者は少なくお参りもスムーズなので「人が多いシーズンを外してお参りをしたい」という方にとっては理想のシーズンでもあります。
フォトスタジオは閑散期の場合が多いため、割引やキャンペーンなどをしている可能性がある点も魅力です。